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悪質商法の手口と対策 ― 消費者センターへの相談方法

📚 解説 | 公開日: | 最終更新:

悪質商法とは

「悪質商法」は、消費者の判断力・知識・契約締結の自由を不当に制限・侵害し、契約の成立・履行を強要する商行為の総称です。高齢者を狙ったものが多く、近年ではインターネット・SNSを悪用した新しい手口も増えています。

主な悪質商法の手口

(1) 訪問販売

事業者が消費者の自宅を訪問し、商品・サービスの購入を勧誘する手口。屋根修理・床下点検・不要な物品の押し売り 等。

(2) 電話勧誘販売

事業者が消費者に電話をかけて、商品・サービスの購入を勧誘する手口。投資用不動産・健康食品・資格講座 等。

(3) マルチ商法(連鎖販売取引)

商品・サービスを契約者に購入させ、さらにその契約者に別の消費者を紹介させ、ピラミッド型に拡大していく商法。「ネットワークビジネス」「MLM」とも呼ばれます。

(4) 点検商法

「無料で点検します」 等と消費者の不安をあおり、不要な工事・サービスを契約させる手口。屋根・床下・水回り 等。

(5) 催眠商法(SF商法)

人を集めて「景品が当たる」「特別なサービス」 等と興奮させ、冷静な判断ができない状態で高額な商品を契約させる手口。

(6) ネガティブ・オプション(送りつけ商法)

注文していない商品を送りつけ、消費者が受け取ったことで「購入したとみなす」商法(特定商取引法で2021年6月から禁止、定期購入契約の解約妨害は2022年6月から)。

(7) 利殖商法

「必ず儲かる」「元本保証」 等と勧誘し、投資用物件・金融商品・情報商材 等を契約させる手口。

(8) 資格商法

「国家資格が取れる」 等と勧誘し、高額な講座・教材を契約させる手口。

(9) インターネット通販の定期購入トラブル

SNS・インターネットの広告で「1回だけの購入」 とうたい、実際には定期購入契約になっている手口(2022年6月の特商法改正で規制強化)。

(10) フィッシング詐欺

実在する事業者(銀行・宅配業者・公的機関 等)になりすまし、SMS・メールで偽のサイトに誘導し、ID・パスワード・クレジットカード情報 等を盗む手口。

被害にあわないための対策

契約前

  • 「いますぐ契約」 「今日だけ」 等の言葉に注意
  • 「必ず儲かる」 「元本保証」 等はあり得ない話
  • 契約前に家族・信頼できる人に相談する
  • 事業者の所在地・連絡先・代表者名を確認する
  • 特定商取引法に基づく書面(クーリングオフの記載がある契約書面)を受け取るまで契約しない
  • SNS上の広告を安易にクリックしない
  • 知らない番号からの電話には出ない(出る場合は録音する 等)

契約後(被害にあったかもしれない場合)

  • クーリングオフ: 法定書面を受け取ってから8日間(マルチ商法等は20日間)以内であれば、無条件で解除可能
  • 消費生活センターへの相談: クーリングオフの行使、事業者との交渉、法的措置 等を相談
  • 契約書面の保存: 今後の証拠となるため、必ず保管
  • 支払いの証拠: 銀行振込明細・クレジットカード明細 等を保管

クーリングオフ以外の救済手段

  • 契約の取消し(民法): 錯誤・詐欺・強迫による契約は取り消せる
  • 契約の無効: 公序良俗違反・不法原因給付 等は無効
  • 消費者裁判手続特例法: 同種の被害にあった消費者が共同で訴える制度
  • 少額訴訟: 60万円以下の請求は、簡易裁判所で少額訴訟を利用可能
  • 民事調停: 裁判所で当事者間の合意による解決を図る

相談窓口

  • 消費者ホットライン「188(いやや)」: 土日祝日含め、原則毎日利用可能、最寄りの消費生活センターへ転送
  • 国民生活センター: 消費生活相談・情報収集・分析
  • 警察相談専用電話「#9110」: 悪質商法・詐欺等の犯罪被害
  • 法テラス(日本司法支援センター): 無料法律相談・弁護士費用立替 等
  • 各自治体の消費生活相談窓口: 市区町村の消費生活センター

クーリングオフ妨害の禁止

事業者が、「クーリングオフはできない」「この場でサインをしないと損をする」 等とクーリングオフの行使を妨害した場合、事業者には行政処分が科されるとともに、クーリングオフの期間経過後でもクーリングオフができるようになります。

悪質商法の手口別対策

訪問販売

事業者が消費者の自宅を訪問し、商品・サービスの購入を勧誘する手口。屋根修理・床下点検・不要な物品の押し売り 等が典型例です。クーリングオフ(8日間)が可能です。訪問販売の事業者には、氏名・事業者名・勧誘目的である旨の明示義務があり、違反すると事業者には罰則が科されます。

電話勧誘販売

事業者が消費者に電話をかけて、商品・サービスの購入を勧誘する手口。投資用不動産・健康食品・資格講座 等が典型例です。クーリングオフ(8日間)が可能です。電話勧誘販売の事業者には、氏名・事業者名・勧誘目的である旨の明示義務があり、断った場合の再勧誘が禁止されています。

マルチ商法(連鎖販売取引)

商品・サービスを契約者に購入させ、さらにその契約者に別の消費者を紹介させ、ピラミッド型に拡大していく商法です。クーリングオフ期間は20日間と長めに設定されています。マルチ商法では「特定商取引に関する法律」第33条の規制があります。

点検商法

「無料で点検します」 等と消費者の不安をあおり、不要な工事・サービスを契約させる手口。屋根・床下・水回り 等が典型例。クーリングオフ(8日間)が可能で、契約書面の交付義務があります。

ネガティブ・オプション(送りつけ商法)

注文していない商品を送りつけ、消費者が受け取ったことで「購入したとみなす」商法です。特定商取引法で2021年6月から禁止されました。消費者は、送りつけられた商品について直ちに処分可能で、代金支払い義務はありません。

インターネット通販の定期購入トラブル

SNS・インターネットの広告で「1回だけの購入」「いつでも解約可能」 とうたい、実際には定期購入契約になっている手口です。2022年6月の特定商取引法改正で、最終確認画面での明確表示義務が課されました。

フィッシング詐欺

実在する事業者(銀行・宅配業者・公的機関 等)になりすまし、SMS・メールで偽のサイトに誘導し、ID・パスワード・クレジットカード情報 等を盗む手口。フィッシング対策協議会等の公的機関に通報できます。

被害にあった直後の対処

悪質商法の被害にあった場合、以下の対処を速やかに行ってください。

  1. 支払いの停止: 振り込んだ場合は、振込先の銀行に連絡し、振り込みの取消(振り込め詐欺救済法に基づく)を検討
  2. クレジットカードの停止: クレジットカードで支払った場合は、カード会社に連絡し、決済の取消(チャージバック)を検討
  3. 消費生活センターへの相談: 188(いやや)に電話して、クーリングオフの手続き・事業者との交渉 等を相談
  4. 証拠の保存: 契約書・メール・SNSのやり取り・録音データ・振込明細 等を保管
  5. 警察への通報: 悪質商法・詐欺の被害にあった場合は、警察(#9110または110番)に届出

特に注意すべき年代別トラブル

年代主なトラブル注意点
若年層(10代〜20代)SNS型投資詐欺・フィッシング・定期購入トラブルSNSの広告を安易にクリックしない、知らないURLを開かない
中年層(30代〜50代)副業詐欺・投資詐欺・キャッシング詐欺「必ず儲かる」話はあり得ない、借金をして投資しない
高齢層(60代以上)点検商法・利殖商法・催眠商法・SF商法・保険トラブル一人で契約しない、家族に相談する、見知らぬ人を家に入れない

高齢者の消費者被害を防ぐために

高齢者(特に65歳以上)の消費者被害を防ぐため、以下の対策が重要です。

  • 家族の見守り: 高齢者の消費行動に変化がないか、家族が定期的に確認する
  • 地域包括支援センター: 高齢者の総合相談窓口。消費生活センターと連携
  • 消費生活相談員: 専門家が電話・面談で相談に乗る
  • 成年後見制度: 判断能力が不十分な高齢者の権利を守る制度
  • 早期発見・早期対応: 被害にあっているサイン(見慣れない商品・請求書 等)があれば、すぐに対処する

よくある質問

Q. 業者から「クーリングオフはできない」と書かれた契約書に署名させられましたが、できますか?

A. できます。特定商取引法で定められたクーリングオフの権利は、事業者の意思で制限できません。契約書面に「クーリングオフはできない」 等と記載されていても、法的な効力はありません。

Q. クーリングオフ通知を事業者が受け取らなかった場合は?

A. 通知を発信した時点で効力が発生します(到達を要しない)。簡易書留・内容証明郵便 で送付すれば、発信の証拠が残るため安心です。

Q. 契約を結んだ後に、事業者と連絡が取れなくなった場合は?

A. 消費生活センター・警察 等に相談してください。事業者が所在不明・連絡不能となった場合でも、振込先の銀行・クレジットカード会社 等への対応で被害回復が図れる場合があります。

執筆: sanbonko(行政情報部)

2015年頃から日本の行政処分データや公的制度情報を継続的に収集・分析。14省庁・機関の5,362件の行政処分データセットを運営し、規制動向の調査・分析レポートを公開しています。

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