行政処分と刑事罰の関係(両罰規定の基礎)
行政処分と刑事罰の違い
行政処分(業務停止・登録取消等)と刑事罰(罰金・懲役等)は、同じ法律違反に対して併用されることがあります。性質が異なるため、どちらか一方の処理で他方が消えるわけではありません。
| 項目 | 行政処分 | 刑事罰 |
|---|---|---|
| 根拠 | 行政法(監督行政) | 刑法・各法律の罰則 |
| 目的 | 違反の是正・将来の防止 | 制裁・予防 |
| 手続き | 行政手続(聴聞・弁明等) | 刑事手続(捜査・裁判) |
| 内容 | 業務停止・登録取消等 | 罰金・懲役等 |
両罰規定とは
両罰規定とは、同一の違反行為に対して、行政罰と刑事罰の両方が課されることを定めた法律の規定です。代表的な例は、次のとおりです。
- 貸金業法: 無登録営業に対する刑事罰と、監督当局の処分
- 食品衛生法: 違反に対する罰則と、営業停止・営業禁止の処分
- 労働基準法: 違反に対する罰則(刑事罰)と、監督署による指導・公表
行政罰と刑事罰が併用される理由
- 目的の違い: 行政罰は将来の違反防止が目的、刑事罰は制裁が目的
- 手続きの独立性: 行政手続と刑事手続は独立しており、それぞれの判断が可能
- 速やかな是正: 刑事手続に時間がかかる場合でも、行政処分により速やかに違反を是正できる
事業者が取るべき対応
- 違反事実の正確な把握: どの法律・条項に違反しているかを確認する
- 弁護士への相談: 刑事罰の対象になる可能性がある場合は、弁護士に相談する
- 再発防止策の整備: 行政処分・刑事罰の双方を避けるため、管理体制を整える
「行政処分だけですむ」と考えない
重大な違反では、行政処分と刑事罰の両方が課される可能性があります。違反の疑いがある段階で、専門家に相談することが大切です。
各法律の罰則・処分の詳細は、所轄の監督官庁の公式案内でご確認ください。
事業者が注意すべき点